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『殺し屋1』(88点/100点満点中)

 R18とは、まさにこういう映画のことを言うのだなという認識は十数年以上私の中で変わっていない。

 身体破壊の暴力描写だけではR15である。
 性器集中破壊描写が加わるとR18である。
 そこに必然性も加われば映画犯罪である。

 映画でどこまで気持ち悪い人間が気持ち悪い行為をできるかという、およそ哲学的でスキャンダラスな思索の果てに三池崇史監督という邪悪な塊が見出した最適解。それが、この原作の漫画をそのまま緻密にグロテスクに映画化してやろうという計画であった。

 そうして完成した映画は、主人公がベランダに落とした精液に浮かび上がるオープニングタイトルで始まる。

 主人公は殺し屋である。病的に幼いこのいじめられっ子は、そのまま臆病な大人となり、いじめられると泣き噦りながらカカトに仕込んだ刃で目の前の人間をみじん切りにする。それも勃起しながらである。みじん切りと書いたが、三池崇史監督は文字通り、みじん切りにする。勃起しながら。時には射精しながらである。
 一方この暴力装置と対局する、暴力装置は、父親をこの殺し屋に殺された浅野忠信演じる暴力団組長である。
 金髪で真っ赤なジャケットや紫色のコートに抹茶色のシャツを着て、耳まで口が裂けているのをピアスで抑えている。

 どんな暴力もほとんど感じないドMでもあれば、どんな暴力を行使してもなにも感じないドSでもある。
 合コンでSなのMなのと訊いてくるような男や女は、まず間違いなくこの映画を見ていないと断言してもいい。

 この日本史に残る弩級の変態どもの、顔面破壊、身体真っ二つ、顔面焼却、眼球破壊、腕引き千切り、幼児虐待、脊髄摘出、舌切断、性器切断、倫理と法律一切なしの、歌舞伎町のマンション内での戦争がこの映画である。

 この映画は弩級の変態ふたりが出てくる一方、ちゃんとまともなヤクザが出てくる。
 それがまともな人間だと思えるのが恥ずかしいくらいに変態が変態なのである。

 浅野忠信は山ほど映画に出た。
 しかしいまだにこの映画を越える浅野忠信を見たことがない。
 バキバキにきらめく映画の衣装センスも、その後これまた見たことがない。

 あの時代のあの空気感でしか成立しえないような予算編成があったのかもしれない。
 このクラスの不朽のエログロ映画は今後現れるのだろうか。
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