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『ソーシャル・ネットワーク』(59点/100点満点中)

 世界はデッカい出会い系である。出会い系サイトだけが出会い系サイトではない。
 職場も学校も遊び場も渋谷スクランブル交差点も、実はひとつの出会い系なのである。
 そしてこんなヤバい世界を作った立役者の一つにSNSがある。劇中に飛び出すこの台詞は素晴らしい。

 「こいつにセックスする相手がいるのかいないのか。それを一発で知るために交際ステータスの表示機能を搭載しよう」

 Facebookというサービスが一人のモンスター童貞から生まれ、地球の隅々にまで浸透する過程を、家の壁の汚さと人間の汚さを描かせたら第一級の監督が描く。
 あの化け物のサービスは、たったひとつの恋愛がこっぴどく終わったその復讐から生まれたというのに恐ろしいリアリティがある。そうだ。いまや街中に溢れるものも、スマートフォンで見るすべてのサービスも、モテたいから作られた誰かの絶望と自慢品の数々なのである。

 主人公のサイコパス感は元より、途中から出てくるジャスティン・ティンバレイクの身のこなしの美しさには絶句する。アイドルグループのメインボーカルとしてデビューし、ブリトニー・スピアーズと結婚し離婚した彼は、一度そのキャリアで強烈な挫折を味わっている。
 それでも、日本で言えば及川光博クラスの得体の知れない薔薇のような香りを放つ動きをすることには変わらない。
 ナップスターという今やもう潰れ切ったサービスを制作した起業家を演じる彼は、見るからにそんなカリスマ的魅力に溢れている。Facebookを数十万規模のサービスではなく数億人規模のサービスに広げるようアドバイスをするシーン、そしてなによりあの三文字を取れというシーンはめちゃくちゃにかっこいい。彼をこれにキャスティングした人は天才だと思う。
 なにを見せるべきか見せないべきかが生身と骨身で分かっているナルシシズムとダンディズム、人格の欠損したものだけが持てる自信とニヒリズムに満ち満ちている。

 Facebookという病気は、どれくらい病的でないと完成されなかったか、そしてそれは決して、Facebookでなくてもよかった、という資本主義ホラー映画である。
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