スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(35点/100点満点中)

 ウルトラマンが地球を外敵から守りながらも、そういえば足元の都市を木端微塵に破壊し尽くしていると気づいた時、少年は一瞬で大人になってしまう。少年はやがて大人になるのではない。ある日、ある瞬間、一瞬で大人になるのである。そしてもう二度と少年の無邪気さに戻れない。二十一世紀になるまで、アメリカは聖母に抱かれた一人の純粋無垢な少年だったのだ。そんな内省を最初に行ったのが『ダークナイト』である。いまDC映画に人が足を運ぶのはこの『ダークナイト』を越えるのか越えないのか、という興味がいまだにあるからだ。

 本作はスーパーマンとスーパーマンの敵との衝突によって木端微塵になった前作『マン・オブ・スティール』の都市の光景からスタートする。911クラスの人災を必然的に招く、法を越境したこの人材を、法を越境するバットマンが執拗に裁こうとする。と、立派に書いてみたが、めちゃくちゃ怖くてしつこいおじさんがめちゃくちゃ強くて爽やかな青年を叱ろうとする話でもある。
 陸はバットマン、海空はスーパーマンと分ければ済む話であろうが、めちゃくちゃ怖いおじさんはそんなことでは承知しない。

 この映画最大の見所は、『ダークナイト』からまったく新しくなったバットマンの造形だと思う。
 とっても頭の悪そうな嫁(ジェニファー・ロペス)を捕まえた印象だけが根強かったベン・アフレックの近年の巻き返しは面白い。ウィキペディアに彼の興行成績の成功と失敗が逐一記載されているほどである。本作のバットマンを演じる彼は、クリスチャン・ベールのように頬の筋肉を緩ませたりしない。笑わない。女っ気もない。原作の、というかバットマンの掟であったはずの不殺の精神もどこ吹く風かのように平然と破る。神をも殺そうとする。明らかに狂っている。しかしそれこそなんだか今っぽいバットマンなのである。なんだかもうやばい人って感じなのである。私はそれをそれなりに評価したい。

 収まらない喧嘩は収まらざるをえない事態の発生によってさらなるメタ喧嘩になっていく。ザ・アメリカ・新喜劇である。もはやサイヤ人とサイヤ人のヘッチャラ展開になる頃には観客はありとあらゆる批判的思考と体力を奪われている
 なんか凄かったけど、なんかなあ、となってしまうのだが、それはもう監督の名前からして予測できたことだ。
 それでもやはり今回のバットマンのソリッドな殺意は、歴代のバットマンの改革を続けるDCの賭けだと捉え、そこだけは評価したいと考える。
スポンサーサイト

Profile

F

Author:F
Mail:gokushitekimovie@gmail.com

最新記事

検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。