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『少女』(60点/100点満点中)

 十七歳の時は一番正確に世界を呪えた気がする。中学生でもなく大学生でもなく、高校生。学年で言えば二年生。前にも後にも行けぬ最悪の時期である。
 そうしてお行儀の良いクラスメイトに囲まれて窓辺から眺める景色にはなんの希望も見出せない。
 なんでも知ってそうな現代国語の先生に対して早く死なねえかなこいつ、と思ったり、部屋に帰ってバキバキに意味不明な小説を書いたり、左唇を歪ませながらツァラトストラが云々と言い出したってなんにもおかしくないような状況なのである。


 本作は、「子供なんてみんな、試験管で作ればいい。」という最高の書き出しから始まる小説が原作である。

 煙草を三万本くらい吸ってないとできないようなやばめの目付きでナチスのようなシックな制服を着て、先述のとりあえずやばいことを全部平然とおっぱじめる本田翼、そして先日貞子と伽倻子の合体化に貢献した山本美月のダブル主演である。

 いじめ、殺人、認知症、恐喝、売春、病気、などなど、重いテーマが、びっくりするほど綺麗な映像でオシャレに描かれる。
 舞台となる基督系女子校の朝の挨拶は「ごきげんよう」であり、そんな最下層テーマが超ハイソなクラスで描かれるのでどこかディズニーランドから明るさとポップさを抜いて地獄っぽくしたファンタジックな心象風景が続く。
 が、テーマなんてはっきり言ってどうでもいい。

 本田翼が一番良い。
 ドラマやCMでクローズされる彼女のビタミン感は全くない。ちっとも可愛くない、そして狡猾そうで倦んだ表情はそういえば見たいと思っていたけど見ることはないんだろうなと思っていた。本田翼が大嫌いな人は、本田翼が大嫌いになるような青春を送ってきた人であるが、そんな人は本作で本田翼を好きになるに違いない。いつでも人を刺し殺す準備ができたケダモノのような顔で彼女は劇中、冷徹に策謀を張り巡らす。
 お食事中に焼き魚の目にお箸を突き刺しまくるシーンなどは、良い。コンドームを手にとってよくわからないジジイとセックスすべきかしまいか、のシーンなどは、ああこれが本田翼の限界かとも思いながらそれでもよくやったと思えるのである。
 山本美月はいじめられっ子なのだが、桐島の彼女なのになぜ今回いじめられてるんだという感じがしてなんともいえない。

 十七歳の気色悪さの美しい映像化というジャンルで本作は突出していて、というか今までにない新しさで、そうしてそれ以外の要素、あるいは愛こそすべて的な物語の着地がしかし私には水と油のように感じた。
 お友達のことが好きか嫌いかが、この映画を好きになるか嫌いになるかの別れ目となっている。
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