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『マネーモンスター』(10点/100点満点中)

 私はジョージ・クルーニーに甘い。マッド・デイモンには厳しいのと同程度に、ジョージ・クルーニーには甘い。なぜか。ジョージ・クルーニーが甘い顔でスクリーンで微笑むだけで、もうそれだけで私も乙女のような気分になるからである。ジョージ・クルーニーはそれでいて現実世界の独裁国家の独裁主義者の動向をチェックするためだけに監視衛星を買収して打ち上げたり数度の離婚を経て国際弁護士と結婚しては政治活動を一切やめないなど、圧倒的に攻撃的な一面もあるので大好きである。枯れた男は事実死ぬ寸前まで仄暗く攻撃的なままなのであろう。そんなジョージ・クルーニーになりたいと誰もが思うが、誰もなれるとは思えない。そこにあのダンディズムがある。つまり私はジョージ・クルーニーさえ出ていればその映画は、もう満点を点けてしまいかねないタイプなのだが、『マネーモンスター』では観劇の途中でジョージ・クルーニーが出ているにも関わらず、寝てしまった。寝てしまったのだ。この私が。ジョージ・クルーニーの前で。これだけでもうお分かりかと思うが、『マネーモンスター』は駄作である。
 
 嫌われ者や性格が激しいタイプの人には分かってもらえると思うが、私は「謝れ」と言ってくる奴が大嫌いである。ましてや「謝れ」と言われて謝る奴も大嫌いである。だったら最初からするな、という話なのである。

 最高にご機嫌なジョージ・クルーニーが踊りながら酒を飲んで司会進行を務める、それでいてジョージ・クルーニーのおかげでちょっとは知的に見えなくもない財テク番組は、その財テク番組で六百万くらいの損失を負った青年の銃声によって乗っ取られてしまう。六百万くらいの損失だったのだが青年的にやっぱ一番悪りぃ奴はこいつだぜとジョージ・クルーニーに銃口を突きつけるのである。そりゃそうだ。財テク番組をやったらその番組が市場操作をできるに決まってる。あっち向いてほいの原理である。論理を丁寧に追えば誰も全然共感してくれないしそもそも緊迫感も全くない動機が犯人の本質であり、しかも某企業の株価暴落による八百億円相当のステークホルダーどもの総損失をジョージ・クルーニーたった一人に賠償させようとしたりする一休さんみたいな頓智を利かしたりするので手に負えない。さらに言うなら、そんな青年よりも、財テク番組を酒を飲みながらでないと司会進行できなくなってしまったジョージ・クルーニーの方がジョージ・クルーニーファンとしては遥かに心配なので、青年が泣きわめきながら銃を振り乱してもちっともなんとも思えない。それがあかん。この映画の監督は、そういう普遍的な常識層を一切考慮せず、経済的政治的映画を製作したが、観客の頭はもっと悪いということに気付いた方がいい。

 全体的な物語進行は、この怒った若者がちゃんと謝ってほしい人に謝ってもらうまでジョージ・クルーニーがいつも通り極めて紳士的にエスコートしてくれるという流れである。それには満足だった。性格の悪そうな彼もよかった。でもそれ以外の要素が全然ダメだった。
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