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『LOVE 3D』(50点/100点満点中)

 簡潔に言う。セックスシーンが映画の中の三分の一以上二分の一以下を占めており、さらにはそのセックスシーンはすべて本物、つまり実際に挿入が行われており、射精シーンは3Dで演出されているのが本作である。人間、猛烈なストレスを抱えると18禁の映画以外まったく楽しめなくなるものだ。この映画はセックス、セックス、セックスの連続である。極めて退屈かと思いきやそのセックスはすべて違う時刻と違う場所、さらには別の第三者を介したり、薬物が絡んだりなどして、角度が一度違えば体位がほぼ無数に存在する原理に乗っ取って、監督は無数のセックスシーンを本編で描き続ける。登場人物がファックと言う回数を競い合っているような洋画があるが、この映画は登場人物が実際にファックする回数では映画史上最高回数ではないだろうか。

 そのセックスのほとんどは、ところで一人の男と一人の女との間とで行われるセックスである。
 主人公の男はすでにその女を失っている。その女はいまや行方不明である。その女の母から居場所を知らないかと電話を受け、そしてその女との出会いとセックスを回想するというのが本作の流れだ。ぶっちゃけて言えば男はセックスの起点と終点ぐらいしか過去の女について記憶できていない。ギャスパー・ノエ監督は嘘を吐かない。いや、たぶん嘘を吐けない。

 恋愛は葬られたとしても、失恋は葬ることができない。
 出会った頃はただの男と女であった彼らが、やがて人間とは思えないほどの連続した性行為で、人間としての原型を失っていくまでの過程が、時系列を逆にして語られる。愛だの恋だの言いながら、セックス以外は何も証明できない男、つまりこの世の九十九パーセントの男が元カノに対して抱いている美化の幻想を完璧に映像化したドキュメンタリーがこの映画である。セックスをちゃんと描いた『ブルーバレンタイン』と称すべきだろうか。

 だがなんとなくこの映画は女に見て欲しい。男をどうすれば破壊できるか、その教科書としてとても模範的なのである。
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