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『百万円と苦虫女』(50点/100点満点中)

 蒼井優みたいな女が身近にいたらたぶんそいつはサークルクラッシャーになってそうだな、と思っている男は多いに違いない。自然体でナチュラルメイク、飾らないスタイルで自由気ままに生きている女というのはサークルクラッシャーの人材として必要十分条件なのである。蒼井優がサークルクラッシャーっぽいのは、主に邦画が蒼井優をサークルクラッシャーとして取り扱っており、潜在的に蒼井優にクラッシュさせられたい男の子がこの国で映画監督になっているからである。

 街で拾った猫を知らん間に捨てられてお返しにその男の荷物を全部捨てた器物損壊罪で拘置所に放り込まれ釈放された蒼井優は、一人の前科者として二度と他人には迷惑は掛けまい、と決意し、なるべく目立たずバイトでコツコツ百万円を貯めては県を跨いで引越しをし、そしてまたバイトを繰り返し百万円貯めたら引っ越す、そんなネオヒッピーとして生きることを決める。
 しかし住み込んだ先では当然誰かになんらかの形で話しかけられ、気に入られてしまう。その誰かとは年上のおじさんであったり、海辺のチャラ男であったり、ガーデニング屋の森山未來であったりである。
 蒼井優がへらへらしながらそこにいたら蛾のように次々と各地で別々の男がへらへらと寄ってくる展開に全く違和感がない、寧ろ夏のボーイミーツガール的な納得感をもたらすが、関わり合いになりたくねえなと思って動くと関わり合いになったらやべえやつがばんばん寄ってきて、あっ、引越ししてやろ、と荷物をまとめてボンボン県境を跨いでいく女の後ろ姿は映画というフィルターを通してもとても現実的な諦観があり、どこかアグレッシブな虚無僧のように孤高で自由で斬新なのである。

 しかし私にとっては器物損壊や前科者になることよりも、そんな不安定で向こう見ずで自由な旅の方が、遥かに難しい不良行為のように思えてしまう。この女にとっては、紛れもなく、百万円は重要ではないのだ。生活ですら重要でもない。移住すらも必要ではない。人間関係もなんでもないだろう。しかしどんなに現実に寄せた暗い画角でそんな女を捉えても、そんな女の後姿の余韻こそはこそ現実的であれ、そんな女の生き様自体はやはり架空過ぎるのである。なにも大事にしない私が大事、と言い切るにしては、彼女は前科者である自分を愛し過ぎている。あたかも羅生門を潜り抜けた彼女の行く末は誰も知らないし知る由もないし、言ってしまえば、あんま興味も持てない。
 蒼井優のように生きてえなと思えるガールズの映画、ロードムービーとしては完璧だ。森山未來君も今にも転びそうになりながら走ったりするシーンはそれだけでキュンキュンするくらい良かった。しかし個人的に蒼井優がサークルクラッシャーっぽい、あと、こんな女はなんだかやべえなあ、たぶん俺もあんま絡みたくはねえなあ、と思ったのでこの点数である。
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